群青の月 〜『Azurite』take00〜




俺はお婆さんの右

少し後ろに下がって、
生け垣の段差に腰掛ける


カッパはお婆さんを挟んで
少し遠くに、胡座をかいた


「 カッパとカカシだわ 」と
お婆さんはけらけら笑う



午後になり、家族連れが増え出して
こちらに一組寄って来た



何となく「 いらっしゃい 」と売り子


カッパは相変わらず
キュウリを食っていて

家族連れの奥さんの方に
「おいしい?」と聞かれると
黙って首を、縦に振った




「 美味しいですよ
俺そのまま、味噌つけて食いました 」



そう笑って答えると、旦那さんの方が
「 買っとけよ、俺も食いたい 」と
三百円分、買って行ってくれた






夕方になり完売


お婆さんは大喜びをして
よっこらしょ、と腰をあげ

「あ〜軽くなった!
ありがとうね〜!」と笑い



「 明日も
カッパとカカシは来るかい? 」


カッパは頷き


俺も「 夕方には 」と答えると
お婆さんは手を振り、
微笑みながら、去って行った







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