群青の月 〜『Azurite』take00〜

あの頃の様に






それから暫くは
ライヴハウスの中は大騒動で


カミカミの

『文句があるなら、
Global Recordにいらっしゃい!』との
『Azurite』からの戦状に
会場は爆笑になり


黒いスタッフTシャツの面々に
引きずられながら
あずるはステージを、後にした





あのちびっ子はすぐに
灰谷を引っ張り、外へ飛び出し
他の人間も、はじかれる様に
表へと駆け出す




『Azurite』を追う、
その声と視線の
抗えない熱に浮かされた一群





ホールの半分位が空になって
松田さんが各バンドの撮影ビデオを
配り歩いた


「 予想してたけど凄いな
一人もメンバー居ない所いるよ 」と
残った出演者で笑いあった




暫くは
ストロベリーピンクも残っていたが
終電がヤバイとの事で
ベースを預かり
俺が暫く、残る事にした



タカコちゃんが目を真っ赤にしながら
ベースを渡して来る



緑くんが
ユリちゃんと言うキーボードの子に
話し掛け
メモを破って、俺にくれた


「 ユカちゃんの携番だって 」



いつの間にか、交流があったらしい



「 わかりました
もしあまり遅くなる様なら
きちんと送ります 」



タカコちゃんと、
ユリちゃんとドラムの子は
よろしくお願いします!と
階段を上がり去って行く





―― ベースを担いで立ち上がり
今は闇に包まれた
ステージの上を、暫く見つめる







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