群青の月 〜『Azurite』take00〜
駅までの道を
"ユカちゃん"の歩幅に合わせて
ゆっくり歩いた
「 …今日『彼』に会ってから
本当に、変で…… 」
しょげたまま突然
ユカちゃんが話し始めた
「 ああ…
ああいう人は、滅多にいないけど
たまにいるね
人のコンパスを、狂わせる人間 」
「 コンパス… 」
「 好きとか嫌いとか
関係ないんだよね
―― まず、引っぱられる
同性同士だと、
結構平気みたいなんだけど 」
「 !!
ホントにそんな感じです! 」
「 ……女では『アズ』
男では彼かな
俺の23年間の人生で、二人目 」
「 あの…… 」
「 はい? 」
「 もしかして、青山さんって
…『Azurite』と
付き合ってたんですか?
今日、ピースで挨拶してたし… 」
「 ……良く見てるなあ 」
「 ……そういうトコだけは… 」
「 …彼氏じゃないよ
昔、何回か
一緒にやった事があるだけ 」
「 え…
緑川さんは、青山さんずっと
ソロだったって 」
「 Chea組む前、
数年間はソロだったよ
その前の話 」
「 …なんで…
あんなにベース上手いじゃないですか 」
「『アズ』と やっちゃったから 」
「 あ…… 」
「 あ バンドね? 」
「 あ!は はい゛わかります 」