群青の月 〜『Azurite』take00〜
――― それは 俺だ ―――
「 ……どうだったのかな 」
「 …どこが好きだったんだろう… 」
「 それは聞かなかったけど
俺や…周りには解らない
理由があったと思うよ
一目惚れとかするタイプじゃ
あいつは無いし 」
「 …私のは…
一目惚れとかに近いのかな… 」
「 あいつ、かっこいいもんな 」
「 青山さんもかっこいいですよ?! 」
「 ありがとう。」
「 …渇いた言い方だ…… 」
「 …その人と『アズ』
しょって逃げてくれた人は
どんな感じだった? 」
「 え。なんかこう…
ラブ×2でしたよ?
こう…縋るみたいに
『彼女』は駆け寄って行ったし… 」
「 縋る?!アイツが?! 」
「 はい 」
両手でハンドルを握り
シートに思い切り寄り掛かって脱力する
そして息を 深く、吐いた
"転んで支えられた"
"縋って行った"
―――… どっちが本当だ?