群青の月 〜『Azurite』take00〜









「 やっぱりライヴ中の奴
あの時の、改造君だったのか… 」


煙草を吸いながら聞く俺に
真木が答える




「 …前から奴は
事務所にも気持ち悪いメールや
手紙、送って来てたんだけど

ボウズ、来期から
ライヴやる動きに移行してさ

それが発表されてから
ヘン度が増してたから、注意してたんだ


後三人ばかり
今日暴れてたのは、凶器持って無かった 」




「 真木、Globalに居るのか 」



「 いんや
今回のプロモーションに関わってる

『Azurite』スタッフ計画企画したり
池上が今、映像やってるから
今日のあれも、一緒に作った 」





―― 何で俺に声かけないんだ

一瞬、そう思ったが
あずるの目が、こちらを向いて理解した


―…もう、バンドを組んでいたからだ





「 Chea、かっこよかった 」

あずるがそう言って
強い瞳で笑う





「 …おまえも 」



…俺はあずるの頭を、思いきり
ぐしゃぐしゃと撫でる



そしてあずるも
あの頃と変わらない
満面の笑みで、俺を見た









――― あずるが  呼吸してる






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