群青の月 〜『Azurite』take00〜




「 …捜さなくたっていいですよ 」




「 …うーん でも
心配してるかもしれないしね 」


「 ………あんな台詞吐く奴が
心配してるとは思いません 」




「…その彼には、
この子といる事が日常になっていて

つい、言ってしまっただけの
なんてことない言葉だったのかも


男は、そういう部分、あるでしょう 」




「 ……… 」




「 まあ、カレー食おうか
シーフードにしたよ 」



水とスプーンの入ったコップ

いそいそと両手鍋を置き
ご飯を山盛り、カレーをかける




―― カッパが少し動いた

薄く、目を開ける




「 …この子、薬の効き悪いなあ
この間もそうだった
もっと栄養つけさせないと… 」



水の入っているコップから
スプーンを取り、少しカレーを冷ました


ガラスに当たった金属音で
目を醒ましたんだと思う




「 …食べるか 」


口の傍に持って行くと、少し唇を開いた



噛んで、飲み込む音がする



もう一度運んでみたが
瞼を閉じて、起きる気配が無い



続きは
自分で食べた






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