群青の月 〜『Azurite』take00〜




そこは事務所になっていて
大体6畳くらい


古くて煤けてるけど、
土地柄とでも言うのか
煤けた外国の骨董品が
書類の山に紛れて置いてある



後は男所帯だから
まあ、あれなカレンダーと
小さなキッチンには、ガス台が一個



電話と事務机




勢いよく引き込んでしまったから
ドサリとカッパの転んだ音


急いで、それらがある真っ暗な部屋で
電気のスイッチを捜す



ブン…と一回音がして
チカチカと天井のあかりがついた



――― カッパは

この部屋で『社長椅子』と呼ばれている
木製の、脚がライオンの形をした
背もたれ椅子にしがみついてこちらを向き
座る場所に、片足の膝をついていた






< 5 / 262 >

この作品をシェア

pagetop