群青の月 〜『Azurite』take00〜
そこは事務所になっていて
大体6畳くらい
古くて煤けてるけど、
土地柄とでも言うのか
煤けた外国の骨董品が
書類の山に紛れて置いてある
後は男所帯だから
まあ、あれなカレンダーと
小さなキッチンには、ガス台が一個
電話と事務机
勢いよく引き込んでしまったから
ドサリとカッパの転んだ音
急いで、それらがある真っ暗な部屋で
電気のスイッチを捜す
ブン…と一回音がして
チカチカと天井のあかりがついた
――― カッパは
この部屋で『社長椅子』と呼ばれている
木製の、脚がライオンの形をした
背もたれ椅子にしがみついてこちらを向き
座る場所に、片足の膝をついていた