群青の月 〜『Azurite』take00〜




竹田さんがパン!と自分の膝を叩く


「 ほい!何があった 」




その声と音で、カッパはハッと我に帰る



「 …な、なんかいた 」



「 ――― どこに 」



指差した方に走る
キッチンの窓



誰も居ない
庭に出てみる



「 てめぇ!!誰だ!!! 」


―― 玄関の方で、竹田さんの怒声


急いで玄関に廻ると


門から
何か、頭に大きな被り物をした

―― 男?


ジーンズ姿のそれを追って
駆け出そうとすると
竹田さんに、制止された




「 …やめとけ
あんなモン被って人ん家覗くなんてのは
マトモなモンじゃねえぞ 」



「 けど 」



「 …それより、お嬢ちゃん見てやれ 」



カッパを見ると、突っ立ったまま

しかし、手が震えている






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