群青の月 〜『Azurite』take00〜
慌てて駆け寄り、しゃがんで
小さく細い、その手を握った
「 カッパ 息してるか 」
頷く
竹田さんが後ろから寄り
カッパの肩に、手を置いた
「 よお、―― どんな顔だった 」
「 顔 わかんない 」
「 ハリボテの、被りモノしてたな 」
「 うん
おみやげ屋さんに売ってる、
男の子の顔、の、大きな奴 」
「 だな 」
「 手袋して、窓 張り付いてた 」
… ヘンタイかよ
「 青山くんさ
ヤサ、ちょいと移動するか
ここはうちのモンに見張らせとくから 」
「 構いません 」
「 私が世話になってる、
針の、いいお医者があってさ
梅川の知り合いだ、車を呼ぶよ 」
「 ――― はい 」