群青の月 〜『Azurite』take00〜
竹田さんが電話をかけてすぐに
二台の車が、門の下にやって来た
一台から、五人
館の中にあがってくる
そしてきちんと、"お邪魔します"と
全員、挨拶をくれた
俺も頭を下げ
カッパの頭も、押して下げさせる
「 青山くん、
財布とか貴重品とか要るものだけ持って
下着や何やらは向こうに全部あるから 」
「 解りました 」
俺はまず棚から、
カッパの通帳だけ、リュックに入れる
後は、奴のジーンズあったよな
仕度をしながら
「 カッパ、 先、行くなよ 」
「 うん 」
「 お前、必要な物あったら
このリュック入れろよ
それから…… 」
顔を上げると、カッパが居て
奴は手に、俺のベースを持っていた
「 ……これは… 」
「 リュック、無理だね… 」
「 入れたらカッパ様と呼んでやる
―― ムキになって入れなくていいから!
入らないよ! 行くぞ 」
ベースとリュックを背負い、
ついでにカッパも背負い、門の外に出た