群青の月 〜『Azurite』take00〜





竹田さんが電話をかけてすぐに
二台の車が、門の下にやって来た


一台から、五人

館の中にあがってくる



そしてきちんと、"お邪魔します"と
全員、挨拶をくれた



俺も頭を下げ
カッパの頭も、押して下げさせる



「 青山くん、
財布とか貴重品とか要るものだけ持って
下着や何やらは向こうに全部あるから 」



「 解りました 」

俺はまず棚から、
カッパの通帳だけ、リュックに入れる
後は、奴のジーンズあったよな


仕度をしながら
「 カッパ、 先、行くなよ 」



「 うん 」



「 お前、必要な物あったら
このリュック入れろよ
それから…… 」



顔を上げると、カッパが居て


奴は手に、俺のベースを持っていた



「 ……これは… 」



「 リュック、無理だね… 」



「 入れたらカッパ様と呼んでやる



―― ムキになって入れなくていいから!
入らないよ! 行くぞ 」



ベースとリュックを背負い、
ついでにカッパも背負い、門の外に出た








< 57 / 262 >

この作品をシェア

pagetop