群青の月 〜『Azurite』take00〜
髪は白い丸坊主で
血の気が無いと言った方がいいのか
青白くも見える肌
目は、ラムネ瓶に近い碧
耳に、ピアスホール等はナシ
白いシャツの肘少し前まで
捲った袖から見える手首は
平らに近い細さだ
「 …おまえ
さっき、追い掛けられてたのか? 」
ゆっくり聞くと
こくりと頷く
「 ……まさかお前
そのキュウリ、あの人から奪ったとか 」
「 ――!!
違うよ!
お店に百円、ちゃんと置いて来た!!」
お、喋った
「 …冗談だろ
キュウリばっかり食べてると腹壊すぞ 」
俺は思い付き、コンロの火を止めた
黒いジャンパーを脱いで立ち上がり
カッパを見つめて手招きする
―― 途端にその小さな体は
ドアに向かって、猛ダッシュを始めた