群青の月 〜『Azurite』take00〜
弾き終わった後
店員さんが目を見開いて
拍手してくれた
真木は『やっぱり音違うなあ!』と感心し
池上は
『……ヤバイ、かっけえ』と呟いた
あずるは、
きつい目で、俺を真っすぐに見つめ
「 これがいい。」そう言った
俺も笑って
「 いいね 」と言った
あずるは『 これ下さい! 』と
店員に声をかけ、
彼は一瞬、目を見開く
しかし暫く話してから
レジにあずるを誘うと
ソフトケースを持って来て
「これも付けとくね」と
GEOREREの弦を、サイドポケットに
そして何やかや、店内を回って
ピックやら、
俺を見て、新たなストラップ等を
どんどんポケットに詰め込んでくれた
俺は頭を下げて、入口の階段を昇り
そして
外のワゴンの横で、煙草を出す
値段は 見なかった
あずるは、弾いた俺を見て
『これがいい』と言ったし
そして俺も、これが欲しいと思った
俺はずっと
あいつの横で弾いて行くんだから