群青の月 〜『Azurite』take00〜

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原宿

駅の大きさとしては小さめ

白木風の鉄柵を真っすぐ進むと
階段がある



改札を出ると
色々なアイドルやミュージシャンの
ラミネート加工されたブロマイドや
顔のプリントされた団扇が
大量に、壁に下がっていた



そこを曲がると、すぐに商店街

露店が化粧をして
建物になった様な店が
軒を連ねて並んでいる




流行りものを集めたアクセサリー屋

お笑いタレントが
プロデュースしていた店は消えて
アイドルか誰かの看板



その隙間にある、小さな蕎麦屋
隣には外国から進出して来た
ハンバーガーショップ

それらのライトの隙間に
殆ど十代の群れがひしめき合う

フリルが沢山ついた、
宝塚の舞台に出られそうな子達

人気のあるモデルを真似しているなど
服装もまちまち


むさ苦しいこの四人は、
かなり浮いている感じがする


横道を抜けるとヘアカットの店


住宅街になり
そこを進むと、でかい道路
ビルが並び、歩道橋がある



古書店の隣に小さなゲームセンター
エレベーターに乗り真木が5Fを押す

開いた先にすぐ
カラオケの様な受付け


ブラックボードに蛍光ペンで
今日の出演バンドが書いてある




―― ドライアイスのにおい


壁には出演バンドのポスター
ロビーは左後ろに
テーブルとソファーがあるだけで
かなり狭い


真木が受付の女性に声をかけると
にこやかにお辞儀
真木の所の、スタッフの人らしい


「 全員、顔、覚えたから
シールいらないってさ 」

そう言って真木が笑う


池上は中肉中背
のほほんと目が細くて坊主
上腕筋が発達していて
ランニングの下から存在感を示している


俺はTシャツとジーンズを履いた
"カカシ"だし


あずるはこうして見ると、やはり目立つ


真木は目鼻立ちがハッキリしていて
あずるの横に立つと
こちらが兄じゃないかと言う感じだ


最近髪が伸びて来て
尻尾の様に、後ろで結んでいる


真木が客席への扉を開いたが
俺は思い返して、受け付けに戻った




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