劇場版 乙女戦隊 月影
「うん?」

十夜は、蘭花を見つめた。

蘭花は、川に落ちた九鬼の方に顔を向けていた。


「ブラック!」

夏希が走る。

その頃…蒔絵は、哲学の道の途中にある酒屋で、ソフトクリームを買っていた。


「装着!」

夏希は、乙女ブルーに変わると、光が集まっていく空間に向かっていく。

「うりゃあ!乙女スタンガン!」

夏希の持つスタンガンが、光の束に炸裂した。

しかし、

ふっ飛んだのは、夏希だった。

「蠅がうるさいわ!」

光は、完全なる人になる。

「やっぱり…あたしは、やられ役」

哲学の道を転がっていく夏希。



「あれが…」

蘭花は、目を凝らした。

「乙女プラチナ!」

十夜の額に、汗が滲んだ。

「お前達とは、レベルが違うわ!」

光輝く戦闘服を身に纏った中年の女。

女…のようだが、ぱっと見は、オカマである。

厚化粧の顔が、戦闘服の照り返しで、輝く。

「とりゃあ!」

乙女プラチナはジャンプすると、川底に飛び降りた。

何とか、立ち上がろうとする乙女ブラックの目の前に、着地すると、唇を両端を吊り上げ、いやらしく笑った。

「不良品の戦闘服を身に纏い…普通の乙女ソルジャーの半分も、力を発揮できないはずだが?」

乙女プラチナは、ふらつきながらも立ち上がった乙女ブラックを、品定めするかのように、じろじろ見つめた。

「さすが…生徒会長というべきかな?」



「乙女…プラチナ…」

ブラックは、目の前に立つプラチナを見つめ、絶望を感じていた。

何があっても、勝てない。

長年の戦いの経験が、自分に逃げろと告げていた。

だけど、逃げる訳にはいかなかった。

「我がダークメイトの魔神達を、数多く倒してきた…乙女ブラック、九鬼真弓!」

プラチナの体が、天に輝く太陽の光を浴びて、さらに輝く。

「お前には、敬意を表して…乙女プラチナの最強の技で、消滅させてやろう!」

太陽の光を、一点に集約して放つ…殺人光線。

「プラチナボンバー!」




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