劇場版 乙女戦隊 月影
「まじぃ〜だじるびっしゅだわ」

「何い!?」

蒔絵の予想外の反応に、どどめ色は眉を寄せた。

「確かにのを〜!戦いは、だりいよ!だ・け・ど・な!あたいはよお!尊敬してんだよ!リスペクト!」

蒔絵は、また頭をかいた。今度は少し恥ずかしそうに…。

「あいつら〜まじ!まじだろ!他人の為によお〜!まじ!まじ!戦ってんだぜ。九鬼なんて、変身できなくてもよお!里奈も、ちょっと馬鹿だけど、あいつすげえよお!夏希も、まあそれなりになあ」

「何!」

予想外の蒔絵の言葉に、どどめ色は絶句した。

「てめえといっしょにすんなってことよ!あいつらを裏切ったてめえとな!」

蒔絵は、どどめ色を睨みつけ、

「普段はよお!あたいがいなくても、やつらが倒してくれるからさあ…まっ、いいかって思ってけどさあ〜。てめえだけは、無理なんだよ!多分な!」

蒔絵は、乙女ケースを突きだした。

「あいつらは、てめえと真剣に戦えない!優しいからよお!だからさ!てめえは、あたいが倒す!」

「くっ!」

「装着!」

緑の光が、蒔絵を包む。

「乙女ビーム!」

変身と同時に、眼鏡から発射された光線を、どどめ色はとっさに、乙女アイロンで防いだ。

アイロンは、爆発した。

「チッ」

その爆発に、一瞬目を瞑ってしまったどどめ色の耳元に、声がした。

「許さねえ」

乙女グリーンの蹴りが、どどめ色の下っ腹を蹴り上げると、

どどめ色は、石段の下までふっ飛んだ。

「てめえだけは、あたいが倒す」

乙女グリーンは、一気に階段を飛び降りると、立ち上がったばかりのどどめ色に、パンチを叩き込んだ。

二月堂の下で、地面を転がるどどめ色は、グリーンから距離を取ると、

「どどめ包丁!」

無数の包丁を召喚した。

そして、

「くらえ!乱れ桜!」

包丁達が一斉に、グリーンに飛びかかろうとするより速く、グリーンは右手を振るった。

グリーンの手に、のこぎり状の光の輪ができると、それを投げつけた。

光の速さで、その輪は包丁達を切り裂いた。


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