劇場版 乙女戦隊 月影
「そ、そんな馬鹿な…」

教頭の胸から背中まで、哲也の右腕が貫いていた。


「あなたはもともと…プラチナとのシンクロ率が低かった。それでも、無理矢理…変身していた」

冷たい哲也の言葉に、教頭は最後の力を振り絞って、哲也の首に手をかけた。

「私は…魔将軍だぞ!それに、小娘どもに負けてもいない…」


「フッ…」

哲也は首を絞められながら、笑った。

「あなたは、乙女ガーディアンの資格を失った…。それだけで、敗北を意味する」

「わたしは…幹部ぞ!それに、今まで…組織の為にいいい!」

教頭が、思い切り指に力を入れた瞬間、

哲也の体が輝き出した。


「敗北者には、死を!それが、ダークメイトの掟だ!」

乙女ダイヤモンドに変身した哲也が、拳を握り締めると、

教頭の体は爆発した。



「酷い」

ブルーは顔を伏せた。

「チッ!」

グリーンは舌打ちをし、

「乙女ダイヤモンド…」

蘭花ブラックは、絶望した。

「諸君!」

ダイヤモンドが腕を払うと、まとわりついた血は綺麗に取れた。

そして、一歩前に出ると、乙女ソルジャー達を見回し、

「先程の不完全な乙女ガーディアンの力を、お見せしたことを詫びよう」

頭を下げ、

「ここからが…本当の地獄を…」

顔を上げると、ダイヤモンドは女になり、

「味合わせてあげる」

妖しく微笑んだ。




「お、終わったわ…」

蘭花ブラックは膝から、崩れ落ちた。



「ウフフ…」

ダイヤモンドは、楽しそうに笑うと、

蹴りを放った後…倒れ、動けない九鬼を見つめ、

「最後まで…何をするかわからない…九鬼は、奥の手を使い、燃え尽きた!そして!」

ダイヤモンドが、後ろを振り返ると、さっきまでなかった巨大な十字架が地面に突き刺さっていた。

そこに磔にされている者は…。

ブルーは一瞬、息が止まった。

「そ、そんな…」




ダイヤモンドは口元を緩め、笑った。

「最後の希望も潰えたでしょ?」



十字架にかかっていたのは、結城里奈だった。



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