劇場版 乙女戦隊 月影
「何!?」

ダイヤモンドは、自分に起こったことが、信じられなかった。

「フン!」

シルバーは鼻を鳴らすと、ダイヤモンドに振り向いた。

「王者の拳か知らないが!そんなただ殴りかかるだけの攻撃が、あたしに通用するか!」

シルバーはまたノーガードで、ダイヤモンドの前に立つと、

「乙女ダイヤモンド…いや、結城先生!あたしと、あなたとでは、潜り抜けた修羅場の数が違う!」

凄んで見せた。

「く、潜り抜けた…修羅場が違うだとお!年下の高校生が!人生の先輩に向かって!」

ダイヤモンドはすぐに立ち上がると、常人では見ることのできない速さで、攻撃を繰り出してくる。

拳が、足が、見えない。

しかし、シルバーには当たらない。

「例え…速くても!」

シルバーは、足を払った。

バランスを崩し、ダイヤモンドが転ぶ。

「軌道が読み易い!単純だ!」

シルバーはいつのまにか、上空に飛び上がっていた。

「な!」

絶句するダイヤモンドに、向かってシルバーは叫んだ。

「月影キック!」

流星の如く、シルバーの蹴りが落ちてくる。

それは、光の速さだ。

「ぐあ!」

避ける時間もなく、月影キックを喰らったダイヤモンドはふっ飛んだ。

芝生の上に着地したシルバー。

「速さは、あたしの方が上だ」

スピードのブラックをさらに超えた速さを見せた…乙女シルバー!

しかし!



「ははは!」

ふっ飛んだダイヤモンドは、平然と立ち上がった。

「確かに、わたしの攻撃は、お前に当たらんようだ。スピードも上!だがしかし!」

ダイヤモンドは、両手を広げた。

月影キックが当たったところには、傷一つ…ついていない。

「乙女シルバーの力を持ってしても、我が体を傷つけることはできない!それが、何を意味するのか…わかるか?」

不敵な笑みを浮かべるダイヤモンドに、シルバーは舌打ちした。

ダイヤモンドは楽しそうに、笑いだし、

「続けるか?ガーディアン同士の…永久に続く終わらない戦いを!」





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