劇場版 乙女戦隊 月影
「あ、あたしも!」

流されやすいピンクも、横に立つ。

そんな5人を見て、ブラックはフッと笑うと、

「わかったわ…。これが、あなた達なのね」

横に並んだ。


「いくよ!みんな!」

あたしの号令に、

「おう!」

みんながこたえたと同時に、一斉に走り出した。

ドラゴンに向けて、助走をつけると、

6人はジャンプした。

「月影!」

6人の右足が輝き、闇を切り裂く。

「キック!」

6つの光が、1つになり、巨大な槍と化した。




その時、暴走するドラゴンの前に、1人の男が飛び込んできて、両手を広げた。

「中島さん!?」

キックを放つブルーは、盾になるつもりの中島に気付き、驚いた。

しかし、6人のキックは止まらない。

ドラゴンも、こちらを向くと、闇の息吹を吐き出した。


「駄目え!」

月影キックと、闇の息吹に挟まれる形になった中島に向かって、飛び付いて来た1人の少女。

「姫様!?」

ピンクは絶句した。

飛び込んできたのは、理香子だった。

「中島…」

中島を抱き締めた理香子の体を、光の球体が包んだように見えた。

蹴りを放ってから、コンマ数秒の出来事だ。




6人の月影キックは、光の球体をすり抜け、

闇の息吹を押し返すと、ドラゴンの全身を貫いた。
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