甘い秘密 ~sweets~
「ねぇ、蓮。
今日金曜日だし、また蓮の家泊まりに行ってもいい?」

屋上のフェンスを背に座った俺の肩に頭を乗せ、腕を絡め、しなだれかかるように座りながら晴香が言った。

「…ダメ?」

上目遣いで俺を見てくる。


「…別にいいよ。」

俺は特に感情も込めずに一言そう言った。

「ホント!?
嬉しい!!!」

晴香は本当に嬉しそうに絡めた腕にぎゅっとしがみついてきた。


…俺って、

つくづく最低な男だよな…―


俺は真っ青な空に流れていく雲を見つめた。

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