甘い秘密 ~sweets~
「佳代とは、1年の終わりから付き合ってたんだ。

別れた理由は、佳代の浮気だよ…―」


ちょうどその時、谷川先輩が注文したハンバーグドリアと私が注文したオムライスが運ばれてきて、先輩は一旦言葉を切った。


「…ほんとはさ、付き合ってしばらくしてから気づいてたんだ。

俺以外にも誰かがいるな…って。
そう知っていながらも、なかなか別れられなかった…。

でも、このままじゃいけないと思ってさ、別れる事にしたんだ。

別れる時に言われたよ。

あんたといてもつまんない…って。

それで、もう彼女なんていらないって思っていたんだ。

だけど…―」

谷川先輩は、真っ直ぐに私を見た。

「みくちゃんに会えて、知っていくうちに好きになってた。」

「え…っ」


突然そう言われて顔が一気に火照るのが分かった。

「俺がちゃんとみくちゃんの事守るから。だから安心して。」

「はい…―。」

「さ、食べようか。せっかく温かいのに冷めちゃうしね。」

「そうですね。」


私は、これで事態は治まるって思ってた。

けれど、この事が最悪の展開を生む事になるなんて、思ってもみなかった…―。

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