甘い秘密 ~sweets~
「ただいま~」

玄関には私のじゃないブーツ…

晴香さん…今日も泊まるのか…―

リビングに行くと、案の定お兄ちゃんと晴香さんもいた。

「おかえり、みく。
ちょうどよかった。お皿並べてちょうだい。」


「はぁい。」

私はソファーにバッグと脱いだコートを置き、キッチンで手を洗い、夕食の支度を手伝った。


お腹が空いてたハズなのに、あんまり味がしなかった。



思い出すのは今日の事ばかり。

何であの時急に嫌になったんだろう…―。

谷川先輩の事、大好きなはずなのに、何でだろう…―


…まるで、心の中にもう1人別の私がいるみたい…―

…だって…

だってあの時、私の中に浮かんだのは…―



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