Happy garden.【短編】

ワンピースは少し皺になってるけど、出歩けないほどじゃない。


寝相の良い自分に感謝だ。



振り返ると、誠司さんが起きていた。


「……おはよう、ございます?」


語尾が上がったのは、上半身を起こした彼が腰を折り曲げて掛け布団の上に突っ伏したから。


覗きこむように見ると、「んん」と小さなうなり声が聞こえた。


起きたというより、頭は半分寝ているのかもしれない。


朝に弱いのかな。



寝ぐせのついた髪を見て、口元が緩んだ。



それにしても、本当に何もしなかったんだ。


じわじわと温もりで心が満たされていく。



誠司さんを刺激しないようにそっと体を離したとき、頭に痛みが走り、こめかみをおさえながら顔をしかめた。



わたしの動く気配に気づいたのか、誠司さんがベッドの上でもぞもぞと動いた。


「……おはよ。どうした、頭が痛いんか」

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