Happy garden.【短編】
「ええ。ずっと頭痛がして痛みで起きてしまって」
「二日酔いやな、大丈夫か」
「……二日、酔い?」
これがそうなのか、と不謹慎にも少し嬉しくなった。
いつもセーブして飲んでしまうので、二日酔いになったことはない。
友達から、飲んで記憶をなくしたとか二日酔いになったとか、
そういう話を聞く度に、どうして自分はそんな風に酔うほど飲めないんだろうって疎外感を感じていたんだ。
誠司さんはベッドから抜け出すと、部屋の隅の棚へ向かった。
直径25×20センチ、高さ15センチほどの透明なケースを持って、こっちに戻ってくる。
彼は歩きながらケースを開けると、薬の箱を取り出した。
「ほら、飲んでおけや。頭痛薬や」
「……ありがとう」
箱から2錠出してわたしに渡すと、今度はキッチンに行って、水をグラスに注いでくれた。
それを受け取り、ベッドに腰かける。
「昨日は俺も悪かったわ。あんなに酒に弱いと思わんくて」