Happy garden.【短編】

ゆるいパーマをくしゃくしゃにセットした、少し長めの茶髪、二重の大きな瞳、きりりとした眉、すっと通った鼻筋、薄い唇。


いわゆる、イケメンくん。



今思えば、元カレの健吾(ケンゴ)は見た目で選んだような彼氏だった。



自己中で、わたしのことなんて考えてくれない。


だけど、ときどきは振り返って待っていてくれる。

そんなところがあるから「付き合おう」って言われて、うなずいてしまった。


彼だって、きっと、わたしが好きなわけはなかったと思う。


付き合ってから、わたしよりも可愛い女の子と歩いてるところを見たこともあった。


浮気しても文句を言わない彼女が欲しかっただけなのかもしれない。


わたしも、ただ温もりが欲しかっただけなんだ。


あの人のことだけを悪く言えた立場じゃない。



でも、荒れた気持ちはそう簡単におさまりそうもなく、最後にもうひと怒鳴りした。


「絶対にもっといい彼氏を見つけるんだからー!!」


そうして、包みを掴んでいたその手を離そうとした。

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