Happy garden.【短編】
「お雑煮の汁は残ってるので、よかったら餅を入れて温めて、明日にでも食べてくださいね。餅は冷凍庫に入れてます」
「ああ、ありがとう」
「あと、お弁当は5日からでいいですか?」
会社によって仕事はじめの日が違うので、確認をとった。
「ああ、5日からでお願いや」
「わかりました。朝の6時くらいには持ってこれると思いますが、時間は大丈夫ですか?」
「家を出るのは7時くらいだから、もっとゆっくりしてくれてもいいよ」
「じゃあ、7時前までには行きますね」
最後にまた頭を下げて、部屋を後にした。
なんとなくブラブラしたくて、自分のアパートを通りすぎ、昨日の公園まで足をのばした。
昨日は気付かなかったけど、黒っぽい緑の草木に混じって山茶花が赤い花をつけていて、冬の公園も悪くなかった。
かばんから携帯を取り出すと、電源を入れ、アドレス帳から健吾の電話番号を表示し、発信ボタンを押した。