Happy garden.【短編】
とはいえ、手抜きすぎかもしれない。
おしゃれな女の子は毎日スカートを履いてきているし、そのくらいなら問題ないんだ。
そして、靴。
ぺったんこに近い1センチローヒールの黒いパンプス。
せめて5センチ。
華美でなければヒールの高さなんて影響ないんだから、もう少し高い靴にすればよかった。
高いヒールのほうがきれいな足に見えるものだ。
誠司さんのことが気になっているくせに、今までおしゃれなんて言葉を忘れ去っていた。
そんな女失格の自分にようやく気付いた。
いや、彼女に気づかされたんだ。
でも、もう遅い。
誠司さんには美人な彼女がいる。
おしゃれもしないような女に彼のそばにいる資格なんてないんだ。
そう思うと、わたしはインターホンを押すことができなかった。
翌日、ひどい頭痛で目が覚めた。
お正月に飲み過ぎたときみたい。