切望と絶望の扉
穴に落ちた俺だが、もがくことは本能で覚えていた。
待てよ。確かこんなことがあった気がする。死刑は執行の命令書を受け取ってから五日以内に行われるとかだったな。つまり、俺が死ぬのは今日だとは限らない。
そう考えた途端、再びほの暗い闇の底から恐怖が舞い戻ってきたのだ。
つらい…俺はまだ生きていたい…自我が目覚めてから一日とないというのに、あと二日でも、一日でもいい!自分をもっと知りたい。
朝の運動が終了し立ち止まると看守が一人、俺の方に来たのだった。
「ちょっといいか。」
広場を離れると三人ほど屈強な男に囲まれ、昨夜同様に俺は為すがまま連れていかれた。
男たちに引っ張られながら昨夜よりも乱暴にハイペースで歩かされる。野外から再び屋内、そして、回廊が続き階段を押されるよう上っていった。
ここは…。