切望と絶望の扉
立ち上がり、前かがみで両腕を前方に突き出しながら震えた両足で歩き始めると、なにかにつまづきおれは倒れた。
なんだ!?
つまづいた物体に触ってみると、それは柔らかく布地に包まれたなにかだった。
…これは…人!?
手で各部位を触ってみるとまさしく人だった。そして、胸元を触ってみたとき、女だとわかった。同時に今度は指先に生温い液体を感じた。
…なんなんだ…
おれは立ち上がり、たじろいで後方に退くと腰部分に固いものがぶつかった。
…ドアノブだ…さっと、振り返りドアノブをそっと回し、ドアから頭を出してみた…。