切望と絶望の扉
ただ現状に呆然としている俺の耳に向かいからかすかな息づかいらしき音が入ってきた。
なに?人…!?
人の気配を察知すると途端に俺は、
「誰かそこにいるのか!?助けてくれ!早くここから出してくれ!」
と叫んだ。しかし、返事はない。諦めるな。もう一度、
「誰か!答えてくれないか!教えてくれないか!いったい…なにが目的なんだ!頼む!早くここから…。」
「さっきから何なんだよ!うるせえな!もう消灯時間なんだぜ!看守に聞こえたらどうなるかてめえも知らねえのか。」
向かいからさっきの息の主と思われる男が、低いしゃがれ声で俺に吐き散らかすように言った。
看守だと?意味不明なことを。どういうことだ。疑問ばかりが付き纏う俺に向かいの男が更に下品な口調で言葉を投げ掛ける。
「はは!お宅、残り24時間切ったからって、ついにイカれたか!ぐへへっ。」
イカれた?そして、24時間!?向かいの男はげらげらと笑っていた。
すると、ガチャとドアが開くような音が右奥から聞こえ、カッと灯りがついた。
くっ!眩しい…。