切望と絶望の扉


 …ソファーには一丁の拳銃があった。それもソファーで目覚めたおれの手元あたりに…。

 まさか…おれなのか…。
 慌てふためきながらおれは震えた手で拳銃をとった。
 銃の種類、名称は分からないがサイレンサーという消音器が付けてあることぐらいは理解できた。

  …これでこの女を…。

 手の震えはさらに増した。
 おれはヤクザやマフィアなのか…待てよ…ここはどこの国なんだ…自分はいったい…。
 おれは急いで女を確認した。

 …目は黒く、髪は茶色で肌は黄色い…たぶん…ここは…。

 …テーブルには見たことある言語で書かれた週刊雑誌が数冊並んでいた。勿論、おれは読める。

  …ここは日本なのか…。

 次の瞬間、静寂を切り裂く音がおれの背筋を凍らせた…。

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