切望と絶望の扉

　急がせる気持ちが次の行動を起こした。まず、拳銃を腰とスラックスとの間に入れ、女をバスルームまで引きずり、浴槽に放りこんだ。

　女はさっきより冷たくなってきた気がした…。

　胸が血だらけで、だらんとした体で浴槽にいる女を見ると…吐き気がしたが、なんとか抑えた。

　蛇口を回し、そこから吹き出す湯で、おれは血の付着した自分の手を流した。
　そのまま浴槽に湯を溜めることにした。なにやらメモリが出てきた。どうやら自動で止まるタイプの浴槽らしい。

　おれは次の行動に移ろうと思い洗面台の前を横切ると立ち止まった。


　　　　　…鏡だ…

　　　これがおれの顔…。