【企】あんたなんて大ッキライ!!
「ちょっ!井川!!」
近づいて来ようとする井川を止める
『んだよ?』
どうやらキスしようとしたのを止められて怒っているらしい
「あんた…あたしのファーストキス、返しなさいよ!!」
『無理』
って、即答?!
『しちゃったものは返って来ねぇーし
ってかあれ、初めてだったんだ?』
バカにしたような笑みを浮かべる井川
あーもう!イライラする!!
「な、何よ?!悪い?!」
開き直るあたし
井川はそんなあたしを見て大爆笑
『いや、全然
むしろ好都合』
ニヤッと笑った井川はあたしとの距離を縮めた。
「………ちょっと!!」
井川を押し返す
また…キス、された。
最悪だ…やってられない!!
「井川のバカ!最低!」
あたしはそう叫ぶと走り出そうとした。
でも
『おい、ちょっと待てよ』
井川に腕を掴まれた。
「なに?!」
『そうカリカリすんなよ』
そんなこと言われたってあたしの怒りは収まらない。
2度もキスされて、
しかも初対面で、
なおかつ、俺の女になれ
怒れるにきまってるでしょ?!
『井川、じゃなくて裕貴、だろ?』
あたしはウンともスンとも言わず、井川を睨む
『名前で呼ばなきゃキスすんぞ?』
また迫り来る井川
咄嗟だった。
これは多分、本能と呼ぶんだろう
井川にキスされたくない一心で
「ゆ、ゆうき!!」
名前で呼んでしまったのだ。
『はい、よくできました』
井川はそう言うとまたキスをした。
「結局キスするんじゃない!」
『じゃあな、桃子』
井川はそう言って去って行った。
何よ、あの自由人!
まったくクールなんかじゃないじゃん!
渚の情報、ウソだ。
この先が…思いやられるよ…