【企】あんたなんて大ッキライ!!
『もーもこっ!!』
学校が終わってすぐに教室を飛び出すあたし。
コイツに捕まりたくなかったから。
なのに
「なんで来るのよ?!」
あたしの横にいる井川
『今からいいとこ連れてってやるよ』
井川はそう言うとあたしの手を取って走り出す
え…手!
今学校!!
結構注目されてる!!
ヤバイ、あたし!!
焦っているあたしを知ってか知らずか井川はチラッと振り向きニヤッと笑う
何よ…コイツ!
『ほい、乗れ!!』
いつの間にか目の前には大きな黒いバイク
そして井川に白いヘルメットを渡される。
『それ、桃子専用だから』
無理矢理ヘルメットを被らされバイクの後ろに乗せられた。
『ちゃんと掴まってろよ?』
井川はあたしの手を取ると自分の腰に回す
そうするとすぐに出発するバイク
『どーだ?気持ちいいだろー??』
春先の風は少し冷たいけど、気持ち良かった。
「うん!!」
知らない間にあたしは素直になってて。
キライなはずの井川の背中に抱きついて。
ドキドキしてる自分がここにいる。
ホントは、気づいてた。
最初から分かってたんだ。
あたしは井川に惹かれてる。
強引な井川に。