【企】あんたなんて大ッキライ!!
『はい、到着』
バイクで30分くらい走ったところで止まる。
『ここ、俺好きなんだ』
「いい場所…知ってるじゃん」
高台に来ていたあたしたち
夕日が街並みを照らしてて。
すっごく、キレイだった。
「あたしの好きな場所になりそう」
『俺のことは?』
は?と、思わずそんな声が出る
「キライです」
そうきっぱり言い切る。
『そう意地張るなよ
俺のこと、好きなんだろ?』
「大ッキライ!!」
イーっと井川に歯を見せる
『じゃあこうしようかな』
井川はあたしの後頭部に手を回すと顔を近づける
まずい…このパターンは…
「ま、待って!!」
顔の前に手をやる
「どうしたらキスしない?」
そう聞くと井川は顔をニヤつかせ
『俺のこと好きって認めたらキスしない』
そう言った。
無理…無理だよ、そんなの
井川を好きって認めるか
キスされるか…
どっちなんて選べない!
どっちもイヤ…なはずなんだけどおかしい。
キスされてもいいかな、
なんて考えてるあたしがいて。
ダメだ…あたし
今のあたしはおかしい。