【企】あんたなんて大ッキライ!!
『なぁ…なぁ…なぁってば!』
授業中
後ろから裕貴の声
でもあたしは無視
今までなら少しは反応したけど、今日からは別。
裕貴とはもう関係を断ち切る。
今日中にも裕貴の名前を電話帳から消そう。
『おい、桃子!
反応しろって~!!』
背中をシャーペンでツンツンされる。
でも我慢。
今言い返したら意味がない。
だいたい…担任とできてるってどういう意味よ?
チョークで懸命に文字を書いていく担任の背中を睨み付ける。
そりゃあ…ちょっとは感じてたよ?
先生は裕貴のこと…好きなんじゃないかな、って。
だって裕貴を見る目が恋する目だったんだもん。
だから…うっすらとは思ってたけど
でも先生は教師
裕貴とどうなるはずがない。
そう思ってた。
でも…違った。
「先生…保健室、行ってきます」
あたしはそう呟くと黙って教室を出た。
もうイヤだ。
あんな場所にいたくない。