【企】あんたなんて大ッキライ!!




『お前…失礼だな

彼氏に頭大丈夫?って。』

そう言いながらなぜか美形の男子は笑っている。


「あたしはあんたの彼女になること承諾してないから!

だいたいあたしの名前すら知らないでしょ?!」


『お前の名前?
知ってるよ』

ふっと小さく笑った美形の男子は言った


『相沢桃子 1年B組1番
どう?正解だろ??』

あ、ちなみに…そう付け足し

『俺の名前は井川裕貴』


「え…今、なんて?」

思わず聞き返すあたし。


『だから、俺の名前は井川裕貴』


「井川って…理事長の息子で格好良くてクールって噂の?!」

そう言うと井川は笑いながら


『なんだ、お前…俺のこと知ってんじゃん』


「だからお前じゃないってば!」

あーもう!

だんたん…ってか結構前から腹が立ってきた



『うーん…じゃあ桃子?』


「なんでいきなり下の名前なワケ?!」

井川に桃子、そう言われて心臓がはねたことは何があっても井川には教えない。


『え?だってお前の彼氏だし、俺』

グッと顔が近づく。
その距離、30センチ

近い近い近い!!

逃げようと思っても後ろは壁、前は井川、左右は腕
逃げ場が…ない!!


『そんなイヤがんなよ~

1回、キスしたろ?』


その言葉を聞いて、あたしは大事なことを思い出した。





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