愛だけに愛
リョウの背中にかけた声に気付いた




リョウは、





友達に、何か言って。





あたしのところにきてくれた。




「おはよ、リョウ」




「はよ、愛」




ふふって笑って、





手をつなぐ。




「いつ握ってもあったかいなぁ」




「そぅ?」




「うん。手袋してないのに」





「家に忘れてきちゃったから。手袋」




「はは。愛だな」




そんなこと言う、リョウの手は、





少し冷たかった。







「今度、一緒にどっか行こう。いい?」




「それって・・・」





デート?って聞こうとすると、




あたしの唇に、




人差し指をあてて、



「デートに決まってるじゃん」




って、言ったリョウ。

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