コスプレ★マニア



 涙目で見上げると、廊下の窓から入る
 逆光の所為でまったく伊藤という奴の
 顔が見れない。



 「邪魔なんだよ、オバサン」



 はあ!?オバサンー?



 確かに聞こえた侮辱に拳を握り締めて
 立ち上がると、伊藤は私を無視して職
 員室に入っていった。



 ムカつくけれど、今は構ってる暇は無
 い。



 私は急いで散らばっていた荷物を鞄に
 無理矢理しまい込むと、生徒指導室へ
 足を急がせた。



 ガラガラ



 「遅れてすいませんッ」



 扉を開けた瞬間、頭を思いっきり下げ
 る。



 こういう時の為に何度も謝り方を練習
 しておいて良かった。



 「遅いじゃない。これじゃあ、貴女も
  ウチの生徒たちと変わらないわね」



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