いつも笑わせてくれる貴族
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うるさい真帆と肩を並べながら、大学についた。
希由がこちらに走ってきた。
「はよーっ!!」
真帆はニコリと笑っておはよう言うてた。
うちも一応言った。
「昨日恵美ん家行ったん?」
「…………………………行った」
「恵美、どやった?」
んなこと、言えへんわ。
うちにとってかなり絶望的やった。
こんなうちが涙流したんやで?
希由も真穂もきっとビックリするとこやないで。
「なぁゆかり?」
「言えへん」
「へ?」
「これは絶対に口にできん」
私は自分の席までスタスタ歩く。
真帆もオドオドして私についてきた。
隣にいる結菜ちゃんは勉強しとった。
ちゃんと服についての特徴とかも書いてて、可愛いデザイン作ってるなぁ。
思わず見入って真剣にそのペンの先を見てもうた。
それにビックリしたのか、結菜ちゃんは手を止めた。
「なっ、どうしたんですかっ?」
「いや、何もないです」
私は見るのをやめた。