いつも笑わせてくれる貴族

「大谷」


この声って瀧口?

「何」

後ろを向く。

「俺眼鏡外すとかっこいいかな」

……顔に出てるて。
引くわ、ナルシやん。
にやけるなー!!

でもまぁ、こないだ見たときはそれなりに良かった。

いやむしろ良かった。

かっこいい言うか、可愛い。

「大谷?」


また心の声で心境してもうた。


「ん、ま、それなりにええんちゃう。まぁまぁいい顔しとるし」


瀧口は、ボケーッとした。

……気にくわんか、こいつぁ!!

「かっこいい言うか、可愛いちゃう?」


この一言でどうや!!

気分変えろ、瀧さん。


「………だよなぁ…」


何落ち込んでんねーん。
可愛いダメか、そか。

「いやいやいや、今の嘘っぱちや嘘っぱち。かっこいいかっこいい」


「その棒読み気になる」


「気にしなくてええわ。ほんまは関西人」




バシッ。









たたかれた。


ほんまの事言ってるだけですー。
素直なんです私はー。


「笑える事できないのに……クスッ」


「絶対来年にお前のブームはなくなって芸能界から消える」


「お前……」







「ゆかりーっ!!真帆ーっ!!トイレ行こ」


遠くから希由の声。


私は瀧口をほおって、教室を出た。


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