いつも笑わせてくれる貴族
「ゆかり、ほんま瀧口と仲ええな」
希由がケラケラ笑う。
「なんでやねん」
ほんまこれただの勘違いやで。
仲ええ訳ない。
絶対無理やから。
あんな奴と仲ようやるなんて。
「んじゃうちトイレ入ってくる」
希由も真帆もトイレに入っていった。
私は残る。
あーぁ。
もしも石田さんが真帆狙ってたらどうしよ。
なんだかほんま石田さんがもっと遠い存在になった。
バスの中のあの状況から、自分調子乗ってた………かもしれん。
なのになぁ………、石田さん私の事そんな好きでもなさそう…。
はぁ…。
なんで真帆にメールとかしてん。
現実ってほんまヤや。
あんな田村に告白された現実も現実逃避したなる。
トイレの流れる音がした。
真帆が出てきて、手を洗った。
「希由遅ない?」
真帆がケラケラ笑う。
「遅いなぁ」