いつも笑わせてくれる貴族
「笹倉も笑顔の特訓言うて、かっこつけちゃって」
石田さんは、ははっと笑った。
まぁ笹倉さんの笑顔の特訓は、あまり必要なかった気がする。
言ったらアカンやろけど。
「俺が初めて見たわー」
うちの妄想やったらアホみたいやけどむっちゃ石田さんが嬉しそうに見える。
ほんまになんかの勘違いだったら私の顔ボッコボコにしてもええです。
いや、もう大砲で私を打ってそのまま殺してもええですわ!!
「……ゆかりちゃん?目燃えてる気ぃするで(笑)」
「え」
私はまた心境を熱く語ってしもた。
「しかも……鼻血出てるし」
私はその言葉を聞いた瞬間、びっくりした。
鼻の下をそっと指で触れたら、液体的なものがあった。
まじで鼻血出てた。
慌てて急いでティッシュを取った。
「鼻血出てどした?火照ったん?」
私は頭を横にブンブン振った。
「これグリグリ入れたほうがええで!」
私の鼻の穴にティッシュを押し入れた。
「ちょっと……」
「ははは、ごめんな」
そう言って笑った。
私は石田さんの反対側を向き鼻の穴に押し入れたティッシュを取り出した。