いつも笑わせてくれる貴族
「あぁゆかりおはよ!」
大学の友達、恵美がいた。
私は恵美の隣に座る。
「はよ」
「なぁ知ってる?」
「知らん」
私は冷たく言う。
これが私の生まれつき。
人に無愛想。
親友だって、誰だって。
優しくできない。
なぜだか分からんけど、生まれつきだ。
「まだ言ってないやろー」
恵美は少しイラッとする。
仕方ないから聞いてあげることに。
「今日久しぶりに、あの芸人この大学来るんよ!今日OFFなんだってさあ」
誰の事を言ってる?
芸人なんか、この大学に通うわけあらん。
「…何言ってんの?」
「だからさぁ、ゆかり知らんの!?芸人がこの大学通ってること!名前忘れたけど、結構有名よ!?有名だから収録とかたくさんあって、大学来れなかったんだから。それより知らないなんて、ゆかりだけちゃう!?」
恵美は熱く語る。
そんなに有名な芸人さんなんか。
「私よくテレビで見るんだから!」
恵美はまだ話す。
「すごい面白いんよー!!あっ、そや。今度その劇場やるから見に行く?面白いよ!!」
軽く全て無視。
私は頬杖ついてボーッとする。
第一、恵美私がお笑い苦手な事知らんかった?
お笑いなんて興味ないわ。
全然笑えない。
ちゅーか私そんな笑えんわ。
「…ちょっと話聞いてるー?」
恵美はどんどんイライラしていく。
「聞いとるよ」