いつも笑わせてくれる貴族






「あぁゆかりおはよ!」

大学の友達、恵美がいた。
私は恵美の隣に座る。



「はよ」

「なぁ知ってる?」

「知らん」

私は冷たく言う。

これが私の生まれつき。
人に無愛想。
親友だって、誰だって。
優しくできない。

なぜだか分からんけど、生まれつきだ。



「まだ言ってないやろー」

恵美は少しイラッとする。
仕方ないから聞いてあげることに。


「今日久しぶりに、あの芸人この大学来るんよ!今日OFFなんだってさあ」


誰の事を言ってる?
芸人なんか、この大学に通うわけあらん。



「…何言ってんの?」



「だからさぁ、ゆかり知らんの!?芸人がこの大学通ってること!名前忘れたけど、結構有名よ!?有名だから収録とかたくさんあって、大学来れなかったんだから。それより知らないなんて、ゆかりだけちゃう!?」


恵美は熱く語る。
そんなに有名な芸人さんなんか。



「私よくテレビで見るんだから!」

恵美はまだ話す。


「すごい面白いんよー!!あっ、そや。今度その劇場やるから見に行く?面白いよ!!」

軽く全て無視。
私は頬杖ついてボーッとする。



第一、恵美私がお笑い苦手な事知らんかった?
お笑いなんて興味ないわ。


全然笑えない。
ちゅーか私そんな笑えんわ。



「…ちょっと話聞いてるー?」

恵美はどんどんイライラしていく。



「聞いとるよ」


< 2 / 174 >

この作品をシェア

pagetop