いつも笑わせてくれる貴族
手を差し伸べた人。
「あ、すいまへんっ!!」
恵美は手を掴み立ち上がる。
その恵美の顔は少し驚いたような感じしてる。
私はペタリと座ったまま。
「ははっ、君大丈夫か?」
何笑うてんねん。
腹立つわー。
「大丈夫ですから」
我に返り自分で立ち上がる。
「そか。気ぃ付けや」
そう言ってその二人は、立ち去った。
恵美はその後ろ姿を見つめる。
「…どしたん?」
顔をひょこっと出す私に少し驚く恵美。
「手握ってもうた!!すごいよ!!きゃぁぁぁぁっ!!」
恵美は跳ねて嬉しそうだ。
もしやと思って私は顔をしかめる。
こんな騒いでる恵美は、さっきの芸人を見てたのと同じや。
「あれが芸人さん?」
「……そう!!」
私は驚く。
片方イケメンで、片方あんまイケメンやなかった。
「意外や……」