いつも笑わせてくれる貴族
「元気だし?また帰り話かけよ」
恵美はそう言って、ノートとシャーペンを取り出した。
「そ、やな」
私もうずくまった体を広げ、ノートも広げる。
「はぁ…」
頬杖ついて、ポケッとする。
「どしたの大谷。今日異様に元気ないじゃん」
「…は?」
後ろの席の東京から来た瀧口が話しかけてきた。
こいつはあほみたいにグルグルめがね掛けよって、よく話し掛けてくる地味な奴。
地味なくせに、よく喋る。
「お前に関係ないやろ。うせろやゲス」
そんな言葉に傷ついたのか、瀧口は顔が真っ青になった。
まぁいつもやけど。
「…ナニワってよく分からん」
「……………分かんなくてええわ!!」
すごい大声を出してしまった。
皆こっち見て笑う。
「うるさいわー!!大谷、お前は静かなキャラが似合っとるで!!」
いつもうるさい田村が、私に強くそう言えば皆うっさく笑うくせに私はただ頬杖をついて溜め息。
ほんまに意味分からん。
「お前のせいでゆかりなんか言われてるやんー。謝れや」
もう一人の友達、希由がヘラヘラしながら言う。
「うるさいなぁ。ったく関西のやつばっかでうるせぇ」
「だったら関西来んなやー」
真帆が消しカスを投げる。
「痛っ」
「こんなちっさいもん痛くないわー!!もろいなこいつ!!」
ギャハハと笑う真帆。
こいつとじゃれるん好きなんか?
皆趣味がおかしいわー。