いつも笑わせてくれる貴族
「あ、先生来はった!!」
真帆はそう言うと、皆口にチャック。
何も喋らない。
「はい…じゃあ今日はぁー…」
いつもの先生の言葉に、いつもの日常がこっから始まるんやわ。
いつもぼーっとして、授業終わって、帰って、勉強して。
めんどいわ。
コツ…っ。
何かが肩に当たった。
紙飛行機だ。
恵美かと思って、後ろを見ると、恵美が笑いながらウィンクしてる。
「……」
無反応で紙飛行機を開く。
そこには、恵美の書いた文字。
<帰りあの芸人さんに会うやん?☆………でさぁ、やっぱタイプはあっちのカッコイイほうよねっ?>
…………分からんわ。
<別になんも興味ない。どっちでもいい。>
そう書いて、恵美のおでこに当てる。
それに気づいて、恵美はすかさず中身を見る。
「………」
恵美の反応を見るため、後ろを向いてる。
そしてまた恵美がその紙飛行機の中身に、何か書く。
カリカリと、一人だけ響いてる。
書き終わったのか、また私に飛ばしてくる。
<なんや★あんなに落ち込んどたのに(笑)>
「……」
その文字、しかも(笑)にムカついてグチャグチャに丸めて、うざい瀧口に投げる。
「ムカつくわ」
私はそう言った。
瀧口は固まったままだった。