だから、とぶ

そんな時、私の自転車は浮かぶ。

買い物の時、遊びに行く時、絶対浮かばない。

コレが溢れ出す時、決まって自転車は空を飛ぶ。

ふわり、ふわりと足元が滲んでいく。

有名な映画のワンシーンみたいに私は道路から離れていく。



私の辛さを代弁するかのように。



夕方、誰も私が飛んでいることに気付かない。



辛いハズなのに、私は少し誇らしくなる。

分からない。



他の人とは違う自分。

他の人より不幸な自分。

そんなものに酔っている。

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