だから、とぶ

場違いの優越感。

不必要な焦燥感。



そんなものが私をどんどん高く持ち上げていく。

私自身で、私という世界一不幸な少女を演じる女優を作り上げる。

観客のいない空に1人で舞い上がる。



気付いてと叫ぶ私のコレを誰も知らない。

通り過ぎる他人も、一緒に机並べる他人も、普段隣で笑っている他人も、誰も。



ドロドロした優越感。



だから、ペダルを踏む。



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