だから、とぶ
だから、とぶ
プルルル…
プルルル…
突然の携帯電話の着信音で、私は地上に戻らなければいけないと知る。
自転車はちゃんと地面に落ちていく。
「もしもし。」
私は着信相手も確かめずにボタンを押し、素っ気なく受話器に話す。
「よっ。」
機械越しに聞こえた軽い挨拶。
私にこんな電話する奴は1人だけ。
のん気なあいつだけ。
いつもタイミングが悪い。