制服姫
考え込む私に、不意に声が掛けられた。

「おい。」

その声はフェンスの向こうからした。
白いブレザー、私のよく知った人。

「トウマさん!」

「よお。さっきの彼氏?」

さっきのというと西原くんのことだろう。
トウマさんは私たちの会話を聞いていたのだろうか。

「違いますっ!友達ですよ。」

「ふーん、お前友達出来たの。」

「ていうか…聞いてたんですか?」

「丁度屋上に来たらお前達が話してたから、出るに出られなかったんだよ。だから隠れてた。」

「トウマさん…趣味悪いですね。」

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